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 >低電位差のローノイズ電源

放熱器の設計



トランジスタの最大許容損失(Pcmax)Wは、外気温(Ta)℃、トランジスタの最大接合部温度(Tjmax)℃、 全熱抵抗(θja)℃/Wにより決まります。
  Pcmax = (Tjmax-Ta)/θja
熱抵抗とは、トランジスタが1W消費した時の上昇温度を意味しています。

θi :内部熱抵抗(接合部から外囲器)
θb :外部熱抵抗(外囲器から直接外気)
θc :接触熱抵抗(放熱板と接触部)
θf :放熱板熱抵抗
トランジスタの最大許容損失(Pcmax)Wが2W(Ta=25℃)の場合、Tjmax=150℃なので、
  Pcmax = (150-25)/θja = 2W 
よって、θja = θi+θb = 62.5℃/W、 1W消費すると温度が62.5℃上昇します。

また、無限大放熱板を取り付けた場合の最大許容損失(Pcmax)30Wの場合、
  θi = (150-25)/30 = 4.2℃/W
となります。

θc = 直付けシリコーングリース塗布
θc = 直付け
:1.1℃/W
:1.8℃/W

θbは、その他の接触熱抵抗、放熱板熱抵抗に比べて大きいので、
θb//(θc+θf) = (θc+θf)と考えて良く、周囲温度を50℃とすると、
  Pcmax = (Tjmax*0.9-50)/(θi+θc+θf)
を越えないように設計します。

θi = 4.2、θc = 1.1、θf = 18を使用した時の最大許容損失は、
  Pcmax = (150*0.9-50)/(4.2+1.1+18)
        = 3.65W

実際の設計時には、マージンを大きくとり、
  Pcmax = (100-50)/(4.2+1.1+18)
        = 2.1W

を越えないように設計しています。

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